平成26年度に総務省から発出された通知(平成26年8月29日付総務省自治財政局公営企業三課室長通知)により、全ての公営企業は将来にわ
たって安定的に継続していくための中長期的な計画である「経営戦略」を策定することとなりました。これを受け村では、山田温泉、奥山田温
泉及び森林スポーツ公園温泉を所管する「温泉開発事業特別会計」に係る収支計画を含めた高山村観光施設事業経営戦略を令和3年3月に策定し
ましたので公表します。
1、対象事業
温泉開発事業特別会計
2、経営戦略の策定目的
総務省からの通知に基づき、山田温泉及び森林スポーツ公園温泉を所管する「温泉開発事業特別会計」に係る収支計画を含めた経営戦略
を策定しました。このうち収支計画は、三つの温泉について個別に試算することでそれぞれの現状を正確に反映し、財政面で今後も安定的
に特別会計を継続するよう策定しました。
本経営戦略は、高山村の最も重要な観光資源である温泉源泉を永続的に活用するため、適切な管理及び運営を行う指針となります。
3、経営戦略の概要
(1)計画期間
令和3年度から令和13年度
(2)現在の経営状況
経常収支比率及び経費回収率がともに100%超となっており、一般会計等からの繰入を行っていないことから他会計補助金比率
が0%であるため、健全な経営状況にあります。
ただし、温泉を使用している旅館等の経営状況は、台風による自然災害や新型コロナウイルス感染症により厳しい状況にあるた
め、令和2年度は旅館等における温泉使用料を免除し、その分を一般会計からの繰り入れにより補填しました。
(3)将来の事業環境
いずれの温泉も計画期間中に源泉井戸や送湯管等の設備の更新が必要となっており、不測の事態が発生しないよう計画的に実施
していきます。計画期間後の設備更新に備え、必要な基金の確保も必要となります。
(4)投資・財政計画(収支計画)
収支計画に反映した投資内容は、山田温泉では送湯管敷設替え等で52,000千円、奥山田温泉では源泉井戸送水ポンプ購入等で
6,600千円、森林スポーツ公園温泉では源泉ポンプ購入等で30,180千円です。また、併せて電気料等の経常経費を盛り込み、計画
期間における支出額の算出を行いました。
このように算出した支出額に対応する財源は、全て使用料収入を充てることとしており、他会計からの繰り入れや補助金等の
収入を見込まないこととしました。
(5)公営企業として実施する必要性
本村の観光業の最重要資源である温泉の供給を安定的にしなければ、温泉を利用している旅館等の経営に大きく影響が生じま
す。温泉を安定的に供給するには、設備の管理や修繕及び更新を計画的に行わなければなりません。このため、利用者から適正
な料金を徴収し、財政的に安定した運営をする必要がありますが、本事業は利益を上げることは困難であり民間企業が運営する
ことは想定できないことから、村が事業を担うことによって温泉の安定供給という目的を達成できるものと考えています。
(6)経営戦略の事後検証
本事業に関しては、温泉の安定供給に必要な経費を使用料で賄うことが最重要事項であるため、財源不足になることが見込ま
れる状況となった場合には、速やかに使用料単価の値上げ等の検討を行います。