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森のエネルギー推進事業(ペレットストーブ・ボイラー・薪ストーブ購入支援)

はじめに ~木質バイオマスストーブ普及促進の背景~

近年、地球温暖化等の様々な環境問題に対する関心が高まっており、高山村においては平成28年8月にEU(欧州連合)の「市長誓約」にならって、「エネルギーの地産地消・温室効果ガスの大幅削減・気候変動などへの適応」の三つを掲げる日本版「首長誓約」を県内の他市町村に先駆けて誓約し、将来にわたって持続可能な村づくりを率先して推進していく決意をしたところです。
また、全国では戦後に植林されたスギやカラマツなどの人工林が利用適齢期を迎え、それらの国産材の有効活用について様々な検討がなされており、また、特に間伐事業で発生する未利用材(市場に持って行っても値がつかない低質材)は薪やチップなどの木質バイオマスエネルギーとしての利用など、近年注目が集まっています。村面積の85%を山林が占める本村においても、その豊富な木材の有効活用は大きな課題の一つであるとともに、村の振興の一助になるものと期待されるところです。
こうした動きを背景として、村では温室効果ガスの削減やエネルギーの地産地消等に貢献でき、さらには木材の有効活用につながる木質バイオマスストーブの普及を一層推進していくべきとの考えに至りました。
この資料は、これから木質バイオマスストーブの購入を考えている方はもちろん、木質バイオマスストーブに関心のない方にも、参考になったり興味を持つきっかけになればと思い、作成したものです。

1、木質バイオマスストーブについて

  • 一台で家全体が暖まり、火を消してからも長い間暖かさが持続します。
  • 遠赤外線により身体の芯から暖まり、石油ストーブ等の暖房器具とは暖かさの質が違います。また、木質バイオマスストーブで温めた部屋は結露しにくいとの声もあります。
  • 「二次燃焼システム」を取り入れた薪ストーブは、薪を効率的に燃やすことができ、薪の消費量を抑えることができるとともに高い暖房力を発揮します。さらに、煙の中に含まれる微粒子、一酸化炭素、タールなどの不純物(汚染物質)が二次燃焼によって90%ほど削減されるため、環境にやさしいクリーンな排気になります。

「二次燃焼システム」とは?

一時燃焼により薪が燃えて出た煙を火室内で再度燃焼させる仕組みのこと。排気がクリーンになるばかりでなく、煙の量も少ないのでご近所トラブル等の防止にもなります。

  • ペレットストーブは、燃料(ペレット)が自動的に燃料タンクから供給されることで室内の設定温度を保つもので、燃料タンクにペレットを入れておけば当面は燃料を継ぎ足す必要がありません。よって、石油ストーブのような感覚で使用でき、高齢者の方や薪を焚く手間が面倒という方に検討いただきたいストーブです。
  • 薪ストーブ、ペレットストーブのどちらも近年はスタイリッシュでお洒落なデザインのものが販売されており、実用性とインテリア性を兼ね備えています。

2、燃料(薪、ペレット)について

薪の基礎知識

  • 薪は広葉樹系の硬木と針葉樹系の軟木とに分かれます。
  • 薪は広葉樹が適していると一般には言われていますが、針葉樹も充分に薪としての使用が可能です。
  • 薪の長さは、薪ストーブの炉のサイズに合わせて決めましょう。ストーブを購入する際に、適切な薪の長さをメーカーに確認するようにしましょう。
  • 薪が細ければ火付きは早いですが火持ちは悪く、逆に太ければ火付きは悪いですが火持ちは良くなります。よって、細い薪で焚き付けを行い早く火をおこし、火が安定してきたら太い薪を投入して火を保つようにすると良いでしょう。
  • 最も重要なことは、充分に薪を乾燥させることです。一般的に、含水率20%以下になるまで日当たりが良く、風通しの良い場所での乾燥が必要とされています。
  • 乾燥が充分でない薪を使用すると、充分な熱量が得られないだけでなく、煙突内部にタールやススがべっとりとこびりつき、煙道火災(煙突内部で起こる火災)の原因となります。

広葉樹

  • いわゆる「雑木林」に生えているクヌギ、コナラなどの木を言います。
  • 特に密度の非常に高いクヌギやカシは最高級の薪とされています。
  • 広葉樹はヤニが少なく、密度の高さゆえに火持ちが良いため、一般的には薪に適していると言われます。しかし、火付きが悪いため焚き付け用には向いておらず、また、薪として使うには最低1年以上の比較的長い乾燥期間が必要です。

針葉樹

  • 針葉樹は乾燥が非常に早く、5月末に薪を作って乾燥させた場合、約2~3ヶ月で薪として利用可能な含水率20%以下になります。よって、一年サイクルで薪の利用を計画することができます。
  • 広葉樹に比べて密度が半分程度しかないため薪割りがしやすく、また、火付きが良いので焚き付けに向いているというメリットがあります。
  • デメリットとしては、火持ちが悪いこと、火力が強く高温になりやすいので炊き方に注意しなければストーブ本体を傷める可能性があること、ヤニを多く含むためススやタールが多く発生し、煙突掃除などのメンテナンス回数が増えること等が挙げられます。
薪の種類によるメリット・デメリット
薪の種類     メリット     デメリット
広葉樹
[コナラ、クヌギ、
カシ、ナラ、
サクラ等]
  • 火持ちが良い
  • ヤニが少なく、
  • 乾燥に長期を要する
  • 火付きが悪い
  • 比較的、価格が高い
  • 入手しにくい
  • 灰が多く残る
針葉樹
[スギ、カラマツ、
アカマツ、ヒノキ等]
  • 短期間で乾燥する
  • 火付きが良い
  • 比較的、価格が安い
  • 地元の山など入手が容易
  • 火持ちが悪い
  • ヤニ等が多く出るのでメンテナンスが大変
  • 火力が強いため、ストーブ本体を傷める可能性がある

 

薪の密度と燃やした時の灰量について(参考)
樹種 スギ・ヒノキ カラマツ・
アカマツ
ナラ・サクラ クヌギ・カシ
密度 0.40g毎立方
センチメートル
前後
0.50g毎立方
センチメートル
前後
0.65 g毎立方
センチメートル
前後
0.80g毎立方
センチメートル
前後
灰量 左が少なめ右に進むほど多めの矢印の画像

ここまで、広葉樹と針葉樹それぞれの薪についてまとめてみました。
それでは、これらの薪をどのようにして利用していくのが良いのでしょうか?
いくつかのアイディアを考えましたので、参考にしてください。

薪利用に関するアイディア

  • 焚き付けは火付きの良い針葉樹で行い、順調に燃え出したら徐々に広葉樹に切り替え、火を保つようにする。
  • ススやタールの量を大幅に減らすことのできる二次燃焼システムを備えた薪ストーブであれば、空気量の調節をしながら炊けば煙突が極端に汚れることもないので、手に入りやすく価格の安い針葉樹のみを薪として使用することも可能。 さらに、村内に豊富なスギやカラマツなどの山林をお持ちの方は、自身の山から薪を自ら採取することで暖房代がかからずに済みます。
  • 前述のとおり、針葉樹は密度が小さいため、広葉樹に比べるとすぐに燃えてしまいます。よって、針葉樹の薪は太く割って作ったり、場合によっては割らずにそのまま使うなどの工夫により、火持ちを良くすることができます。
  • 薪ストーブユーザーは、燃料である薪の確保に苦労している方がほとんどです。リンゴなどの果樹園から調達する方が最も多く、所有する山林から調達する方も比較的多いです。また、薪の配達サービスを利用するなど購入する方もいます。いずれにしても薪の入手先を増やすこと、広葉樹と針葉樹の違いを理解したうえで薪を効率よく使うことが重要です。

それではこのような薪と比べると、ペレットはどんな特性を持っているのでしょうか?

ペレット

  • ペレットとは、木を粉砕して粉状にした後、熱を加えて圧縮し成型した、チップのような見た目の固形燃料のことです。
  • ペレットストーブは薪ストーブに比べると手間いらずで扱いやすく、煙も少ないですが、本村を含めた周辺地域ではペレットの需要がまだそれほど多くなく、製造コストもかかるため、ペレット価格が高止まりしている状況です。
  • ペレットは間伐材や廃材等から製造されますが、製造過程で二酸化炭素が発生しています。ただ、これまで廃棄されてきた間伐材等を化石燃料の代わりに利用するという観点では、薪と同様に地球にやさしいエネルギーといえます。
  • 燃料であるペレットを自動で供給するシステムは、電気を使用するものやゼンマイ式のものなどがあります。
  • ペレットは水や湿気に弱いので、保管の際は注意しましょう。
  • 長野県内の木質ペレット及びペレットストーブ販売店については、下記の長野県のホームページをご覧ください。

長野県ホームページ

3、木質バイオマス燃料の使用と環境について

そもそも薪やペレットを燃やしても二酸化炭素は排出されるのでは、と考えている方も多いと思います。確かに、薪やペレットを燃やすことで二酸化炭素は排出されます。
しかし、薪やペレットの原料である木は、その成長過程で二酸化炭素を吸収し、酸素を供給しています。よって、理論上では薪やペレットを燃やしても空気中の二酸化炭素を増加させることにはなりません。この考え方をカーボンニュートラルといいます。空気中の二酸化炭素を増加させる大きな要因は、ガソリンや灯油などの化石燃料の使用により、地下に固定されていた炭素が空気中に放出されることにあるのです。
したがって、ガソリンや灯油を使うよりは、薪やペレットを使ったほうが二酸化炭素の増加に影響を与えません。むしろ、木質燃料を使った分だけ化石燃料の使用が減るので、地球環境に優しいといえます。

4、ユーザーの意見 ~薪ストーブはどんな方に向いているのかお聞きしました~

(平成29年4月に実施した薪ストーブユーザー向けのアンケート調査より)

  • 手作りや手仕事を楽しめる家族。(一人での作業は大変なので)。
  • 時間に余裕のある退職者にも良いが、火のない生活をしている子育て世帯にとっては火をつける作業等が勉強になるのでは?
  • スローライフにあこがれる現役世代。
  • 国土の3分の2を占める森林について、心癒してくれる自然の風景として捉える人はいても、資源生産の場として捉える人はわずかであると思う。後者のような人が対象となり得るのではないか。一方で、薪ストーブに癒しを求め、ロマンを感じる方も対象となり得る。
  • 炎を眺めるのが好きな人、炎に癒しを求める人。
  • メンテナンスが苦にならない人、手間を惜しまない“ずく”のある人。
  • 遠赤外線の熱は身体にも心にも良いので、老若男女すべての方にお勧めしたい。
  • オール電化になりつつある現在、火と触れ合う機会が減ってきている。薪ストーブであれば火の怖さや暖かさ、癒しなどを肌で感じることができ、勉強になる。
  • 手間をかけても丁寧で心豊かな暮らしを求める現役世代。
  • 山林所有者の方、果樹をやっている方。
  • 近年はアウトドアブームではあるが、薪ストーブは高価であるし手間もかかるので、己の生き方、趣味等考慮したうえで購入してほしい。

薪ストーブはどんな方に向いているかという質問に対し、手間を惜しまない人や“ずく”のある人という意見が最も多く、薪ストーブ利用者の多くが手間をかけながら薪ストーブを使っていることが分かります。また、家族や世代間で作業を分担しながら楽しめるのですべての方にお勧めしたい、といった意見もあり、アウトドア感覚で薪割りや薪集めを楽しんでいる方がいることも確かです。
さらに、オール電化の住宅が普及し、火との関わりが薄れてきている今日にあっては、薪ストーブを通して火の怖さや暖かさを子供たちに教えられるといった意見もあり、子供の教育にも役立つのではないでしょうか。

5、補助制度の紹介

木質バイオマスストーブの購入者に対し、村では補助金を支給しています。また、ストーブに限らず、ペレットボイラーの購入者も同様の補助を受けることができます。

対象者

村内に居住若しくは事業所を有する個人又は事業者であって、地方公共団体及び公共的団体を除くもの。
※補助金の交付は一世帯につき1回のみ。

補助額

本体購入費(工事費は含めない)の2分の1以内。上限10万円/台。

補助条件

  • 購入するストーブやボイラーは、長野県内に事業所または代理店を有するものから購入すること。
  • ペレットストーブまたはペレットボイラーの購入者は、使用するペレットについて下記1~3の内容を含む協定書をペレット供給者と締結すること。
    1. 使用予定量(800kg/年以上使用すること)
    2. 協定の期間(3年以上とすること)
    3. 協定価格の決定方法
    また、使用するペレットは、長野県の林業及び木材産業の振興並びに県産材の利用促進に資する県産間伐材を利用したものとすること。

補助制度に関する詳細及び申請書等は、下記の高山村森のエネルギー推進事業補助金交付要綱をご覧のうえ、ご利用ください。

お問い合わせ、申請書等の提出先は産業振興課林務地籍調査係まで!
電話:026-214-9296(直通)
FAX:026-248-0066
E-mail:sangyou@vill.takayama.nagano.jp

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