鳳凰が山をおほへるおくしなの 山田の渓の秋に逢ふかな 与謝野晶子
秋〜錦織〜
笠岳の頂から里山へ 色彩の帯が駆け下ります。
錦織り成す日本の秋。十月を迎えた高山村は、笠岳の頂から山裾へと、黄紅葉の帯が下ってきます。とりわけ全山が染め上げられる松川渓谷の秋は圧巻。カエデ、ブナ、ナナカマドといった広葉樹がいっせいに色付くと、V字の渓谷を黄金の輝きで埋め尽くし、その中に燃え立つ紅葉(もみじ)が一際鮮やかです。そして里では、特産のりんごやぶどうが実りの時を迎えています。
高井橋
松川渓谷の紅葉前線
松川渓谷の紅葉前線は、10月初旬に笠岳から始まり、標高900メートルの山田温泉まで、約1ヶ月をかけて降り下ります。見頃が長く、その時々のベストポイントに巡り合うことができます。
舞(まい)の道(みち)遊歩道
松川渓谷の黄紅葉を愛でるなら、舞の道遊歩道がおすすめです。山田温泉の高井橋のたもとがスタート地点。対岸に渡って、薬師堂まで一・三キロメートルをゆったりと楽しむ散策の道です。
最初に潜るのは数寄屋造りの露地門。内露地に出入りする中門や外待合を経て松楓庵へと。いわば茶庭を楽しむ雰囲気で、渓谷の自然を味わえるコース。小粋な演出が、四季折々の魅力を伝えてくれます。